2025年に発売予定のフランス革命を体験できるストラテジーゲーム「Bonaparte – A Mechanized Revolution」の体験版が公開されました。
本作はカナダに拠点を置くインディゲームスタジオ「Studio Imugi」によって開発中です。Studio Imugiは本作が初めてのリリースとなるゲームスタジオで、タイトルからも分かる通り少し奇抜な世界観をしていますが、今後も注目していきたいと思えるゲームでしたよ!
「Bonaparte – A Mechanized Revolution」とは?
本作はフランス革命を舞台にしたターン制ストラテジーゲームです。プレイヤーは「セリーヌ・ボナパルト」もしくは「セザール・ボナパルト」として(ナポレオン・ボナパルトではない点に注意!)、王政に反抗する革命軍もしくは王政を支持するか、あるいは立憲君主制を目指して王政の改革を目指すかなど、様々な選択によってフランスの運命を決定していきます。ストラテジーゲームですが、アドベンチャーパートで政治的なストーリーが進行するなど、ストラテジーゲームとしては分かりやすく、初心者でも遊びやすいゲームです。
何と言っても最大の特徴はロボットでしょう。
なぜこの時代にロボットが存在するのかは分かりませんが(もしかしたら説明があったかもしれません)、「コロッサス」と呼ばれるこのロボットは生身の人間と比べたら無類の強さを発揮するので戦闘ではとても頼りになります。
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1789, Paris. Take Napoleon’s place in an alternate history a…
体験版レビュー
プレイヤー選択
ゲームを開始すると「セザール・ボナパルト」もしくは「セリーヌ・ボナパルト」をプレイヤーとして選択する必要があります。
あなたはフランス皇帝「ナポレオン・ボナパルト」ではありません。彼らのどちらかを選択して、最終的にナポレオンの座につけるかもしれないということがゲームのコンセプトみたいです。
革命発生
主権を国王から国民議会に移すよう要求しますが、国王はこれを拒否します。
時は1789年、度重なる戦争(アメリカ独立戦争など)や貴族の贅沢によってフランスの財政は破綻していました。重税によって国民の負担は頂点に達していましたが、財政改革は失敗、ついに不満が爆発して革命へと至ったというわけです。※この辺りの歴史背景はWikipediaが参考になります。
国王の弟であるアルトア伯は、「コロッサス」を使って暴徒を鎮圧しろ!と命令します。
あなたはフランス陸軍の大尉として近衛兵を指揮しています。
史実通り暴徒と化した民衆によってバスティーユ牢獄が襲撃されるので、この鎮圧に向かいます。
バスティーユ襲撃
民衆か国王か、どちらに味方するか選択することができます。
バスティーユ牢獄に到着したプレイヤーを待っていたのは、今にも交戦が始まりそうで一触即発な状況です。
なぜか民衆側で扇動している弟のリュシアンの説得を受け、国王を裏切って一緒に囚人を解放するように促されます。
ここは民衆の味方をしてみることにします。
「フランスのために!」と叫びながら戦列歩兵に巨大サーベルを叩きつけるボナパルト大尉。
単純な戦力比は6対4で、コロッサスも非常に強力なユニットです。
オープニングステージなので負けることはないでしょう。
どの派閥に味方するのか?
近衛兵の裏切りに憤るルイ16世。
戦闘が終了するとアドベンチャーパートに移ります。
今回、プレイヤーは民衆に味方してバスティーユ牢獄を解放しました。
国王はこれらの結果によって立憲君主制を受け入れる決断を下します。
「革命万歳!これは新たなる戦いの始まりに過ぎない!」と扇動するロベスピエール。
とはいえ、一度火が付いた革命がそう簡単に鎮火するはずがありません。
今やフランスの大半は暴徒と化した民衆に制圧されてしまいました。
体験版では「王党派」は選択できませんでした。
プレイヤーは「穏健派」のラファイエット将軍か、「ジャコバン派」のロベスピエールのどちらかに味方するよう迫られます。
今回は「穏健派」に味方してみます。
戦略パート
青が「穏健派」、赤が「ジャコバン派」、白が「王党派」、茶色が「暴徒」によって制圧されている地域です。
そして戦略パートに移行し、フランス全土を舞台にしたフランス内戦が始まります。
派閥毎に色分けされているので敵味方が判別しやすくて分かりやすいですね。
ただし同じ派閥だったとしてもイデオロギーは異なります。「穏健派」は「フイヤン派」「オルレアン派」「ジロンド派」「ボナパルティスト」に分かれており、プレイヤーは「ボナパルティスト」に所属しています。他キャラクターは敵ではないかもしれませんが、味方でもないかもしれません。彼らは当然プレイヤーが命令することができず、独自に行動します。
近隣に攻め込んで派閥が支配する領土を広げていきましょう。
茶色はどの派閥も制圧されていない地域です。敵対するのは民兵が主体の暴徒となりますので、コロッサスが存在するプレイヤーの敵ではありません。
体験版は数ターンで終了
残念ながら体験版なので数ターン経過すると強制的に終了してしまいました。
とはいえ、体験版としては十分にゲーム性を理解することができます。
感想
良かった点
非常に分かりやすく、とっつきやすいゲーム性でした。ストラテジーゲーム初心者でも安心して遊ぶことができると思います。
また、当時の歴史や人物を知っていれば思わずニヤリとしてしまう要素も含まれています。
Steamに各メディアの評価が掲載されていましたので紹介します。
PCGamesN「Civilization、Crusader Kings、そして…アーマードコアを組み合わせた革新的なゲームだ。」
Digital Trends「Crusader Kings IIIのような大規模なストラテジーゲームに比べるとボリュームは少ないように見えますが、プレイヤーの領土と影響力が徐々に拡大していくのを見て、同じような満足感を得られるでしょう。」
Game Rant「ストラテジーゲームの有望な参入作だと思う。難しいゲームシステムの組み合わせを避けているため、他のストラテジーゲームよりもプレイしやすいものになるはずです。」
うーん……だった点
コロッサスは非常に強力で頼りになるユニットですが、一般的なユニットと比較しても耐久力は3倍以上あるのに対して、攻撃力はそれなりにしかありません(1.5倍ぐらい?)。もう少し攻撃力があれば雑兵を簡単に駆逐できて爽快感が増すのかなーと思いました。それでも本当に耐久力は異常です。戦闘パートではAP(アクションポイント)があるだけ行動できるのですが、これによって「リペアコマンドで体力を回復してから攻撃する」といった行動が可能で、前線に突撃しても倒れない要塞と化します。
もう一点、戦略パートのテンポの悪さが気になりました。プレイヤーのターンが終了すると他の派閥の行動になるのですが、これらはスキップすることができず早送りもできませんでした(ボタンを見逃していた可能性もありますので間違えていたらコメントで指摘ください)。
背景世界を学ぶなら長谷川先生のナポレオンがおススメ
「大陸軍は地上最強オオオオオオオッ!!!!!」
つい最近完結した長谷川哲也先生のナポレオンシリーズは最高です!
同シリーズは「ナポレオン -獅子の時代-」と「ナポレオン -覇道進撃-」を合わせて42巻もある超大作ですが、それだけの価値がある作品です!
何せキャラが濃い!名言が多い!当然ストラテ人も全巻所有して愛読する程の大ファンです。
作中ではフランス革命についても当然扱っているので(獅子の時代にて)、背景世界を学ぶのであればおススメです!